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[チョ・ミンジュンの TV 読み取り] “オンエア” カギは真正性の濃度

[メディアトゥディ 2008年 03月 26日]

[チョ・ミンジュンの TV 読み取り] “オンエア” カギは真正性の濃度 _e0114466_17414133.jpg現在 水木ドラマ視聴率1位を記録して、人気のうちに巡航中の SBS ドラマ <オンエア>の主人公は、ドラマ作家ソ・ヨンウン(ソン・ユナ)だ。どころが、ソ・ヨンウンに付いている荷札 ― “視聴率製造機、興行不敗神話、名品セリフ映え”などのニックネームが、なんだか不慣れではない。

何故ならば、これは<オンエア>の作家キム・ウンスクに対する一般の認識とほとんど一致するわけだ。

キム・ウンスクは、2004年 空前のヒットドラマ <パリの恋人>を筆頭にして、<プラハの恋人>(2005)、<恋人>(2006)の、いわゆる“恋人”3部作で 不敗神話を書いて、良く言えばセリフ映えであり、悪く言えば“言葉尻雑技”【揚げ足取り】の目立つ作法は、キム・ウンスクドラマのトレードマークになった。

ところが、劇中のソ・ヨンウンを、作家キム・ウンスクのペルソナと仮定して ドラマを詳らかにのぞき見れば、ちょっと興味ある部分が発見される。劇中のドラマ PD イ・ギョンミン(パク・ヨンハ)は、彼女に「セリフ映えはあるが、真正性がない」と指摘して、これに対してソ・ヨンウンは「何もないというより、セリフ映えでもあるというのは、褒め言葉ではないか?」と手向かう。同時に、ソ・ヨンウンは、劇の中で“生まれの秘密、財閥”など、そらぞらしい素材だけ繰り返して書く作家で描写されている。

ここで、作家キム・ウンスクに対する擁護の弁 : 実は、彼女は、どんなトレンディ―メロ作家たちに劣らず、真正性に対する強迫がひどい作家だ。トレンディ―メロの絶頂だから評価を受ける <パリの恋人>だけ見ても、その答は出る。たとえ、大きいフレームでは 一般的なトレンディ物の呼吸に付こうとも、ディテールにおいては 慣習を少しずつ曲げると思った才気が、実は <パリの恋人>が謳歌した人気の核心中の一つだった。

しかし、単純に“会社で恋愛すること”で企業ドラマが描かれることが嫌だった彼女は、後半部に至って 本格企業物のプロットを取り入れた、しまりがないオルゲによって失敗を味わわなければならなかったし、それは、ドラマ全体をファンタジーで閉じ込めてしまった自爆的結末につながった。大統領の娘と一線刑事のロマンスを盛り込んだ<プラハの恋人>も同じ。政治界まで丸込めようとする財閥家と政経癒着の掛け金を切ろうとする大統領の間の対決構図は、キム・ウンスクさんが用意した野心的プロット中の一つに違いなかったが、緻密ではない描写によって、その完成度は笑い物の水準に転落してしまった。要するに、キム・ウンスクは 新しい話や形式に対する悩みが少なくない作家だが、その悩みが目立つ場合、その結果はあまり良くなかったのだ。これは、その悩みを具現するに値する構成力を取り揃えていられないという意味でもある。

おかげさまで、<恋人>に至っては 事情がちょっとよくなった。何故なら、このドラマは完結性あるストーリーを 原作(映画<約束>)から提供受けることができたからだ。脚色ドラマでワンテンポ息をついた後、作家キム・ウンスクさんが新しく引いた会心のカードが、ちょうど<オンエア。これは非常に安全な選択だ。

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ドラマ製作一線の話を、ドラマ作家よりもっとよく書く人はないだろうからだ。<パリの恋人>と<プラハの恋人>で現われた構成力の不在が、企業ドラマや政治ドラマのプロットを組むのに必要な位の緻密さが不足だった、というところに起因するという事実を勘案したら、 <オンエア>は、作家キム・ウンスクさん自らの野心と十八番、皆を借しまず広げるのに上々の立派なフィールドであるわけだ。

少なくとも、初盤部だけ見ようとすると、その結果もかなり立派だ。一般視聴者たちも見当はしていたが、公式的に言及された事例はあまりなかったマネージメント業界の黒い慣行や、ドラマ製作と係わる放送社たちの拙速的な行動も、例外なしにカバルギョジであり、(書き始めの言及と共に)作家自らが見せてくれる自己反省は、痛切の水準に近い。一般的な四角関係のフレームを、作家―PD―マネージャー―俳優の間の業務的な緊張関係に切り替えた構造も、誉められるに値する感覚だ。

カギは、このように初盤部が見せてくれている真正性の濃度が 散らかされないことに依っているでしょう。作家としての自己反省と言う、自分のパロディー、あるいは通過的な兔罪符に変質されることができる危険性も抱いているからだ。そして、基本的にトレンディ―メルのフレームに当て嵌まるだけに、通俗恋愛物に落ちることも一瞬であることが言える。

作家が企画意図で明らかにした、“韓国のドラマを危機に落とした人々は、反省しなければならない”と言う認識と、“放送界を扱うドラマはあるが、ただ放送社で恋愛するドラマであるだけだった”と言う指摘が、空虚な旗印にだけ残らないように、作家キム・ウンスクの初心(さまざまな意味で)が、貫徹されることができるのを心より願う。

月刊ファンタスティック編集長、ドラマ評者

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byどんぶらこ
by yoonaroom | 2008-04-06 17:48 | Comments(0)